データレイヤー未実装でも動的数値が取得できる!?GTMのイベント設定方法を解説!
※この記事は中級者~上級者向けの記事です。
【前回までのあらすじ】Google タグマネージャー(以下GTM)のイベント設定とは?
以下の記事をご参照ください。
キャプチャで紹介!GTMのイベント発火設定・基本の「き」!
GTMで動的値を取得する方法
動的値を取得する方法は複数あります。
一番オーソドックスな手法は「HTML上、GTMタグの上にデータレイヤーを設置し、そこに必要な動的値をあらかじめ格納しておき必要に応じてGTM経由で呼び出す。」といった方法です。
私個人の所感ですが、ECサイトを運用していらっしゃる会社様はデータレイヤーで動的値取得を実装済みの場合が多いです。
その一方で、それ以外のB2B系の会社様や不動産会社様などは未実装な場合も多いです。
そこで今回は「GTM実装するときにデータレイヤーは設置していないが、どうにかして動的値を取得したい!!」という、ある種変化球な要望に応える方法をご紹介します。
計測例:商品価格(動的値)を取得し、価格帯ごとの効果を比較するためにイベントを付与したい場合
1. ソースの確認(Google Chromeで作業します)
動的値を取得したい対象のページを開く
ページ内から、CSSセレクタを取得したい要素を特定(本事例では商品価格)
要素の上で右クリックし「検証」を選択
Chromeデベロッパーツールが開く
Elementsタブの中で、該当の要素に対応するHTMLタグがハイライト
ハイライトされたHTMLタグを右クリックし、「Copy > Copy selector」を選択
クリップボードにその要素を指定するCSSセレクタがコピーされます
2.GTMの変数を設定
GTMで変数を新規作成
変数タイプは「DOM要素」を選択
選択方法は「CSSセレクタ」を選択
要素セレクタに1.でコピーした「CSSセレクタ」を貼り付け
※ 変数名はGTMを使いこなせばこなすほど増えるので分かりやすい名前を付けることをお勧めします。
3.GTMのタグを設定
GTMでタグを新規作成
トラッキングタイプは「イベント」を選択
値は2.で作成した「GTM変数」を選択
※ カテゴリ、アクション、ラベルは任意のものを指定。
※ 個人的にはpage urlなどをアクションで指定することが多いです。
※扱いやすいのでラベルにも動的値の変数を返す場合も多いです。
4.GTMのトリガーを設定
GTMでトリガーを新規作成
トリガーのタイプは「DOM Ready」を選択
トリガーの発生場所は「一部のDOM Readyイベント」選択
条件に2.で作成した「GTM変数」を選択
今回のサンプル変数は「5000以上」を指定
5.タグのアクティブ化
上記1-3で作成したタグ、変数に4で作成したトリガーをセットして完了です。
GTMで公開を行えば以下のようにGA側でイベントが計測できます。
※ GA側の確認は行動>イベントから確認できます。
また、3.で「ラベルにも動的変数を入れるのがおすすめ」といった理由は「カテゴリ」「アクション」「ラベル」がGAのデフォルトで区分されているため、今回の場合は価格ごとにイベントの数を計測するのに便利だからです。
6.【補足】セグメントの作成
セグメント機能で今回作成したイベントのカテゴリ、アクション、ラベル、値を指定することでセッション群、ユーザー群での比較も簡単にできるようになります。
また、GAで作成したセグメントはGoogle広告のリマーケティングリストとして活用できるため、ぜひご活用ください。
まとめ
GAのイベント計測はユーザー行動を把握する手がかりとなるため重要
動的値は主に回数を表示する指標の「質」を確認するのに有益な指標
セグメント機能も併せて追客候補の特定からGoogle広告連携で追客実行まで可能
「データレイヤー実装忘れたけど何とか動的値を取得してくれ」という無茶ぶりにも対応できる!
GTM・GA設定で躓いたら!無料相談にお任せ!
今回はGTMを活用したGAでのイベント計測に関してご紹介してきました。
少しトリッキーな手法のご紹介にはなりましたが、計測、分析の幅が広がる小技ではないかと感じております。
しかしながら「自前で設定するのはハードルが高い」「その指標を計測したときのビジネス上のメリットが見えない」など課題は各社各様にあると思われます。
そこで、NTTデータ・スマートソーシングではリスティング広告のアカウント無料診断に加え、GAの無料診断などを承っています。
無料相談の詳細はこちらをご確認ください。
それではまた次回!
Written by Y・S